片山えり子

「いま、私は人に取り入ろうとしているのでしょうか。いや。神に、でしょう。あるいはまた、人の歓心を買おうと努めているのでしょうか。もし私がいまなお人の歓心を買おうとするようなら、私はキリストのしもべとは言えません。」ガラテヤ人への手紙１章１０節
昨年クリスマスの第２３回ランチタイムの音楽（パイプオルガンコンサート）の朝、F.B.マイアー原著（小畑進　編著）の「きょうの祈り」で示されたみ言葉です。

オルガン演奏を控え、緊張している当日の朝、主は必要な時に最もふさわしいみ言葉をもって語りかけてくださいました。今日、上手に弾けるだろうか？コンサートは成功するだろうかと心配し、人々の評価ばかりを気にして自分の功績に目を留める愚かな者にならずに、主のみ心を行うことをもって満ち足りる者、幸いな者、神に栄光を帰する者でありたいと切に思わされたのでした。

２００７年、主が道を開いてくださって大学院のオルガン科に入学し、２００９年に終了した６月から３ヶ月に１度の土曜日にランチタイムのオルガンコンサートを開催することを決断しました。それは、「神は、みこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行わせてくださるのです。」ピリピ２章１３節にあるみ言葉の通りでした。パイプオルガンが与えられているという恵まれた教会の環境の中で、日頃敷居が高くて教会に来られない近隣の方々、家族、友人、知人を気軽にオルガンを通してお誘いすることはできないだろうかと示されたのです。主を知らない方々に、まず教会に来て頂くことは、大きな希望であり喜びです。

しかし、１回終わってホッとするのもつかの間で、すぐ３ヵ月後のコンサートに向けて選曲に頭を悩ませ、練習を始めなければなりません。いつも企画の段階から神さまに助けを求め、祈祷会のメンバーやクリスチャンの友人達に祈って頂き、不思議な程にその都度インスピレーションを頂いています。

コンサートの開始のテーマ曲は、バッハの「主よ人の望みの喜びよ」と決めて、教会歴に対応したコラール（ドイツプロテスタント讃美歌）に基づくオルガン作品や、バロック時代を中心としたオルガン曲、季節に合わせた日本の唱歌やポピュラー曲などを演奏しています。アンケートによるリクエストにもお応えする形で、オルガン曲でないものは色々な楽譜からパイプオルガン用に起こして弾いたりもします。
オルガンを初めて聴く方々にも親しみやすい内容で１曲があまり長くならないようにし、曲のあい間に簡単な解説を加えながら皆さんに楽しんで頂けるように心がけています。また、３回目のコンサートからは外部の方からの提案で入口にオルガン献金の箱を設置し、いらした方に自由献金をして頂いています。

東日本大震災後は何回かチャリティーコンサートとして現在まで合計１０万円以上を捧げることができました。その他折にふれて発展途上国の子ども達への支援にも使わせて頂きました。この事は始めた時の計画になかった事であり、発案者と皆様のご協力に心から感謝を捧げます。

そして、今までオルガンのみならず、ハープやヴァイオリン、声楽、フルート、二胡などで協力してくださる素晴らしい主にある共演者が与えられたことも本当に感謝です。これからもご協力を仰ぎたいと思います。振り返れば、当初の願い通りに、教会外の本当に多くの方々がこのコンサートを通して教会を訪れてくださり、教会員のみならず、外部の方がまたそのお知り合いを誘っていらしてくださり輪が広がっています。３ヵ月に１度のコンサートを楽しみにして待っていてくださるという声をお聴きする度、本当に嬉しく励まされます。

３月の第２４回目のコンサートの朝は、今年から使っている信仰書『わたしは決してあなたをひとりにしない』（主の声に耳を澄ます３６６日）から「ためらわずに、わたしから喜びを受け取りなさい。わたしはあなたにあふれるほどの喜びを与えるからだ。」と主は語ってくださいました。私はこの喜びを素直に受け取りたいと思いました。この回は、初めての方々が多くいらっしゃり、お帰りに受付で聖書を１０人もの方々がお受け取りくださり、喜んで帰られたと聞いて本当に嬉しくなりました。現在に至るまで色々な形で背後で援助してくださり、お祈りくださっている皆様に紙面をお借りして心からのお礼を申し上げます。次回は６月１３日（土）第２５回目のコンサートとなり、今祈りつつ準備をしています。いつまで続けられるかわかりませんが、すべての事を備え、導いて下さる主にお委ねして、これからも１回１回与えられた賜物を生かして誠実に取り組んで行きたいと願っております。